春の暖かい陽気になってきた今日この頃。魚の旬も変わってきます。そこで今回は、以前にも書きました桜鯛のことを少し違う角度で書いていきたいと思います。鯛は昔から「めでたい(鯛)」ということでお祝いの席やお正月などで食べられる魚ですね。鯛のことを知ることで食べたときにストーリーが思い浮かび、今よりの美味しく感じるはずです。ぜひ、ご一読ください。
1. 桜鯛と真鯛って何が違うの?
桜鯛と真鯛は何が違うのでしょうか?まず桜鯛ですが、旬の時期はこの次にご説明をするとして桜鯛は、体が桜色をして尚且つ桜の花びらのような模様に見える斑点がある姿から桜鯛と言われるようになりました。特に産卵期の前になると鮮やかな桜色になり桜鯛と呼ばれるようになります。一方、真鯛は…実は同じ種類の鯛なのです。時期によって色味が変わり呼び方が変わるのです。日本では昔から食と季節とが密接に関係する文化があります。日本の春夏秋冬がどのような文化を生んだのでしょう。今では通年、食べられるものが多くなりましたが、本来はその季節になると栄養価が高く美味しくなるものを食べるとい習慣がありました。そのような食文化から生まれたのが桜鯛というネーミングだったのかもしれません。
2. 実はこんなにあった鯛の種類!
鯛の種類は、ご説明した真鯛のほかにもいます。例えば金目鯛、イシダイ、クロダイなどは、知名度が高いのではないでしょうか?その他にも血鯛、黄鯛、平鯛、キチヌ、石垣鯛、白甘鯛、赤甘鯛、イトヨリダイ、イボダイ、メダイ、マトダイ、タカノハダイ、コショウダイ、コロダイ、テンジクダイ、フエダイ、クロホシフエダイ、ウメイロ、メイチダイ、ハマフエフキとこのように意外と思われるかもしれませんが、これだけの種類の鯛がいます。
3. 桜鯛の旬は?
桜鯛の話に戻りますが、桜鯛の旬は、3月~6月の産卵期に内湾の浅瀬に集まってくるのでその時期に多く獲れます。雌はきれいな桜色になり、雄は、体に桜の花びらのような斑点が現れどちらも鮮やかな桜色になります。
4. 真鯛の旬は?
一方、真鯛は、冬から春にかけて旬と言われています。12月から3月ごろが旬となりますが3月ごろから産卵期を迎えるのでそのころには、桜鯛と呼ばれるようになります。産卵期を過ぎてしまうと身がやせ細ってしまい脂もあまりない状態なので桜鯛になる産卵期になる前の栄養を蓄える時期がやはり、旬の時期と言えるでしょう。
5. 【番外編】桜鯛でもない真鯛でもないサクラダイって何?
ここで突然ですが、サクラダイってご存じですか?さきほどの鯛の種類にも名前がありませんでしたし、桜鯛と呼び名が同じということで桜鯛をカタカナにしただけと思われるかもしれませんが、実は桜鯛とサクラダイは別物なのです。サクラダイは、和名で正式な呼称ですが、実は鯛ではなく「ハタ」の仲間です。15㎝ほどの大きさで幼魚の時は全てメスなのですが、成魚になると性転換してオスになり、そのころになると鮮やかな赤色になることからサクラダイと名前になったそうです。
性転換する魚介類は、以前のブログでもご紹介した「甘エビ」もそうです。その中でもハタ科が線転換することが書いてありますので参考にしてください。
6. 桜鯛と真鯛の美味しい食べ方!
●寿司
ぐるめ亭でお出ししている桜鯛の寿司メニューをご紹介していきます。
・昆布〆真鯛桜おろしのせ
昆布で〆た真鯛は、昆布の旨みが鯛にうつり、身もしまり旨味が増します。そこにラディッシュのおろしを添えて桜鯛のきれいなピンクと相まって見た目も旨味も最高の一品に仕上がりました。
・桜鯛のレモン塩
新鮮な桜鯛を一番、美味しく感じていただくには、塩で食べるのがツウの食べ方です。特に白身魚の鯛を塩で食べると一層、美味しさが引き立ちます。
・桜鯛梅肉のせ
繊細な風味の桜鯛を梅の酸味が桜鯛の美味しさを引き出します。鱧(ハモ)の梅肉和えと同じように白身魚に酸味が加わると間違いない理にかなった調理法です。
・桜鯛ゆず塩
桜鯛のおいしさに塩味、ゆずの酸味と香りが加わり複合的な味わいを感じられる一品になっています。魚の素材に少しの味を加えるだけでとても奥深い味わいになります。
・桜鯛岩塩炙り
桜の季節に旬を迎える桜鯛をほんのり炙り香ばしさを感じさせながら岩塩を少しふりかけて香ばしさと旨味が加わり最高の一品となります。そなえつけのレモンをひと絞りするとさらに口の中でさまざまな旨味が広がり楽しめます。