今回は寿司の中でも老若男女に幅広い人気の「まぐろ」を取り上げたいと思います。まぐろがなぜ、ここまで幅広い世代に人気の魚になったのか?日本でのまぐろの歴史を知ると意外な歴史がわかります。食文化をもっと知ることでもっと美味しく寿司を食べて頂きたいと思います。
まぐろはなぜ人気の寿司ネタになったのか?
日本人はいつからまぐろを食べていたのか?
まず、まぐろを知るうえで日本でのまぐろの歴史を探ってみましょう。日本は古くから魚を食べる文化がありました。その中でまぐろは、いつ頃から食べられていたかというと紀元前1万年以上前の縄文時代からと言われています。そんな昔にあの大きなまぐろをどのようにして獲っていたのかとても興味深いですが、その頃からまぐろは食べられていたそうです。縄文時代から弥生時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代・・・と令和の時代まで食べられているまぐろですが、その歴史の中で今のように昔は大人気の魚とは言えなかったようです。その昔は、まぐろが不吉な魚として評価されていた時期もあり決して庶民のご馳走と言えるものではありませんでした。そして漁獲してから傷みが早く船や冷凍技術が発達していない当時としては、食べ方にバリエーションが無いまぐろは食べづらい魚だったようです。
まぐろを好んで食べられるようになる転機が・・・
そんなまぐろが日の目を浴び始めたのは、江戸時代のことです。江戸時代になると食文化も変化し関東で「醤油」が作り始められその醤油でまぐろを漬け込んで保存が効くようになりました。漬けにしたまぐろは、味も美味しいということで世間に広まっていったようです。まぐろが普及し始めた最初の食べ方は「まぐろの漬け」だったのですね。そしてこの頃、人気になっていたのが寿司屋です。当時、寿司が人気になったのは屋台で寿司を提供するスタイルになったからでファーストフードのような存在で一層人気に拍車がかかったと言われています。そんな寿司屋でまぐろは、漬けにして握りで食べられていたそうです。この頃はトロの部分は脂っこいのと保存が効かないという理由で鍋に入れるか捨てるかという扱いだったそうです。なんともったいない…
トロは何時から人気になったのか?
そんなまぐろのトロは何時ごろから今のように価値のあるものになったのでしょうか?トロが食べられるようになったのは1960年頃で昭和になってからだそうです。そもそもなぜトロが食べられていなかったのか?前述でも少し触れていますが、理由として1つは昔の冷蔵環境があまり良くないことで赤身は漬けにして保存できたのですが、トロは脂が多く醤油に馴染まず保存が難しかったというのが1つ目の理由です。2つ目は当時の日本人は脂分の多い食べ物をあまり摂取しておらず食べ慣れていなかったという点で敬遠されていたようです。昔は食事も質素で肉などを食べる習慣も今とは違いあまりなかったといもの影響しているようです。そんなトロが昭和に入り食べられるようになったのは、西洋の食文化が普及したのと冷蔵技術が進歩したことで美味しく食べられるようになったことが理由としてあげられます。そして徐々にトロの需要は高まりつつ人気が出てきましたが1匹から取れるトロの量も少ないことでトロの価値が高くなったことは言うまでもありません。今では皆さんもご存知の通りトロは高級の代名詞になっています。
初競りで高値をつけるまでになったまぐろ
まぐろは歴史を積み重ねるごとに価値が高まりました。そして近年では、まぐろの競りまでもが話題の的となりさらにまぐろが注目を集めることになります。まぐろの初競りが話題になり始めたのは2000年に入ってからではないでしょうか?築地で行われる大間のまぐろの競りをテレビが取り上げるようになったり新春ドラマで渡哲也さんの「マグロ」など放送されたりと話題性にも富んで俄然まぐろの価格が高騰するようになってきたと思います。競り落とすことで社名が報道され宣伝効果もあるという理由で広告費込みの価格になっていったように思います。昔は不吉な魚とも言われていたまぐろが今では、新年に食べられるおめでたい魚としても扱われるようになり縁起が良い、高価などのイメージがつき益々価値は高まるばかりです。
まぐろの種類や部位の特徴
まぐろの種類
クロマグロ
日本沿岸、太平洋など熱帯などの海域にいる大型で「ホンマグロ」と呼ばれ人気のまぐろです。身が濃い赤身でトロの部分も多く、まぐろの最高級品として扱われています。
ミナミマグロ
クロマグロよりやや小ぶりですがミナミマグロも脂がのったまぐろです。また身も赤く身も締ってこちらもとても美味しいまぐろです。
メバチマグロ
クロマグロやミナミマグロと比較して脂ののりはさっぱりしています。さっぱりと言っても程よい脂なので食べやすく手軽に購入できる手頃なまぐろでその食べやすさから日本でも多く消費されているまぐろです。
キハダマグロ
キハダマグロは赤身がさっぱりとしていますが、身がしっかりしていて脂が少ない分クセの少ない赤身は幅広い人に好評なまぐろです。また、日本で消費される3割はこのキハダマグロなのです。
ビンチョウマグロ
赤身がピンク色をしており冬になるとさらに脂がのり、その柔らかい食感はまるでトロのようでビントロとも呼ばれています。比較的に他のまぐろと比較しても価格がリーズナブルなのも魅力のまぐろです。
まぐろの部位
大トロ
大トロはまぐろの胴体にあるお腹の部分にある特に脂肪分が多い白っぽい部分です。まぐろの全体からも一部からしか取れないので希少な部分になります。
中トロ
大トロ同様にまぐろの胴体にあるお腹と背中の部分にあります。大トロとなる脂肪分以外のトロの部分を中トロと呼びます。
赤身
赤身も胴体部分にありますが大トロ、中トロのさらに背骨に近い部分にあります。まぐろの部位でも一番多く取れる部位でまぐろ本来の美味しさを感じられる部分でもあります。
※上記の3部位はさらに細かく分類されますがここでは一般的な表現として3つにわけて説明しています。
カマ
カマはエラの後ろにある部位で1匹から2つしか取れないこちらも希少な部位です。選ぶ分の太い骨があるのでそのまま焼いて食べることが多いです。焼いたカマは脂がのっているのでジューシーな味わいが魅力的です。
カマトロ
かまのさらに下にある部分がカマトロです。カマ同様に1匹から2つしか取れません。少し筋があるので歯応えがあり肉を食べているような食感です。カマよりも脂がのっているので大トロ並みの美味しさです。
頬肉
まぐろの頬の部分でこちらもカマ同様に2つしか取れません。カマトロ同様に筋があり歯応えがあるのでステーキにしたり串焼きにしたりしても美味しいです。
テール
輪切りにしたテール(尻尾)は丸く骨を中心に周りに身がついて見た目も華やかな様相です。焼いて食べるのが一般的でバターやガーリックを添えて食べても美味しいです。
まぐろの美味しい食べ方
まぐろ漬け丼
醤油、みりん、酒で漬けダレを用意して5分ほどまぐろを漬けこんだらご飯の上にのせて漬けダレをかけて大葉やゴマなどトッピングするとまぐろの旨味を引き立ててくれます。
まぐろアボカド和え
まぐろとアボカドをぶつ切りにしたら味付けはお好みに合わせてわさび醤油で和風でも良いですしオリーブオイルと塩でちょっと洋風でも合いますね。少し風味が欲しい場合はごま油をかけるとまた違った美味しさが味わえます。
まぐろステーキ
軽く焼いてかつおのたたきのような感じでも美味しいですし良く焼いても美味しいです。ガーリックソースや醤油ベースでバターなども入れるのも良いかもしれません。少しこだわるならカマやほほ肉などを使うとより肉のような歯応えも楽しめると思います。
ぐるめ亭のまぐろの握りメニュー
最後にマグロと言えばやはり寿司です。ぐるめ亭のまぐろの握りは国産まぐろを使用しています。近年、養殖技術も発達しており養殖まぐろの質も素晴らしいものになっています。対馬、愛媛、奄美の国産まぐろをぜひ、お楽しみください!
国産本まぐろ3種盛り
ぐるめ亭と言えば「三種盛り」その三種盛りの最高峰ともいえる国産まぐろの三種盛り。赤身、中トロ、大トロの三貫を楽しめる贅沢な一品です。
自家製漬けまぐろ
日本でまぐろが普及したきっかけになった漬けまぐろをお楽しみください。お店で漬け込んだまぐろを握りでどうぞ!
まぐろユッケ
漬けまぐろとうずらのたまごを軍艦にのせてまぐろのねっとりとした感じとうずらのたまごのクリーミーさがマッチした一品です。
ねぎとろが入ったまぐろ三種
トロの食感が楽しめるビントロ(ビンチョウマグロ)とさっぱりとしたばちまぐろ(メバチマグロ)とねぎとろ軍艦とこの三貫でまぐろがいろいろ楽しめる一品です。
本まぐろ中落ちパリパリ手巻き
本まぐろの中落ちをパリッとした食感の特性高級海苔に巻いてお召し上がりください。因みに海苔はこのメニューの為に作ったこだわりがあります!
この他にもまぐろのメニューがあります。また、まぐろ以外にも旬のネタも取り揃えております。ぜひ、ぐるめ亭でご賞味ください。